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核の左方移動の機序

骨髄で産生され、血液中に移行したばかりの好中球は桿状の核を持っている(桿状核球)。図に示すように、血液中に移行した好中球は時間の経過とともに核がいくつかに分葉していく。つまり、核の分葉数は好中球の成熟度を示す。

今、核の分葉数ごとに好中球を分別すると、正常では核が3〜4つに分葉した好中球数が最も多い。しかし、感染症などが生じると、核が未だ分葉せずに桿状のままである桿状核球あるいは核が2つに分葉しただけの幼弱な好中球が多数を占めるようになる。核の分葉数と好中球との関係をグラフに描いたときに、幼弱な好中球の比率が増加すると、最も好中球数が多い分葉数(ピーク)がグラフ上で左側、つまり分葉核数の少ない方にシフトする。そこで、この現象を核の左方移動と呼んでいる。

 

 

好中球における核の分葉