透析百科 [保管庫]

6.2  破壊性脊椎関節症(DSA) 

破壊性脊椎関節症は椎間板にハイドロキシアパタイトの結晶が沈着する長期透析の合併症と報告されたが、その後同時に椎間板にはアミロイドの沈着も証明され、透析アミロイドーシスの部分症とする考え方がでてきた。

本症は、頸椎C4,5,6に好発し、椎間腔の狭小と椎体縁棘状骨増生を認めないことを特徴とする。 頸椎X線写真やMRIで、(1) 椎間腔の狭小化、(2) 椎体のびらん、(3) 骨棘の消失が認められ、進行すると椎間板の変性と後方への突出、脊髄の圧迫像も認められるようになる。これと一致して、臨床的には神経根症状や脊髄圧迫症状が出現する。

 神経根症状が出現した場合には、持続的牽引、頸部カラーなどの保存的療法がとられることが多い。脊髄圧迫症状を呈した症例には外科的処置が必要である。


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