透析百科 [保管庫]

13.4  穿刺ミスの発生要因

1.プラスチック外筒付き穿刺針を用いる場合、金属内筒針を抜去した後、プラスチック外筒の先端だけが血管内に入っており、プラスチック外筒の側孔の開いている部位は血管外に位置していることがある。このような場合、プラスチック外筒の側孔を通して血管外に血液が漏れ出して血腫を形成することがある。穿刺困難な血管に対しては側孔の無いプラスチック外筒付き穿刺針を用いるのが無難である。

2.プラスチック外筒の表面が滑らかすぎる素材でできている場合、穿刺時にプラスチック外筒の表面に皮膚がくっつき、穿刺針を進めるとプラスチック外筒の表面にくっついた皮膚を皮下に引き込んでいく。これを、穿刺針を進める際の強い抵抗として指に感じる。このような場合、勢い余ってシャント血管の後壁を穿刺針で貫いてしまうことがある。プラスチック外筒の表面にナシジ加工が施されている外筒付き穿刺針の使用を薦める。

3.AVF ニードル(金属針)は先端が鋭く、透析中シャント血管内に先端を留置している間に血管壁を傷つけてしまうことがある。そこで、AVF ニードルの使用については慎重でなければならない。関節付近ではAVF ニードルの使用は避けるべきである。

  

            血流不良の原因


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