透析百科 [保管庫]

14.4  アクセス血管のある側の前腕の腫脹

深正中静脈とその分枝には静脈弁が存在しない。そこで、上腕部で動・静脈吻合を行た場合には、アクセス血管から深正中静脈へ血液が逆流し、次いで橈骨動脈に伴走しながら網を形成する。さらに末梢の静脈系に動脈血が逆流していく。したがって、上腕部で動・静脈吻合を行った場合には静脈高血圧のため前腕の腫脹することがある。

 このような例では深正中静脈を結紮すれば前腕の腫脹は消失する。しかし、深正中静脈は走行距離が短く、壁が薄く、走行は不規則なので、その剥離には充分な注意が必要である。