14.6 ブラッドアクセスによる静脈圧上昇
上腕動脈と腋窩静脈、上腕動脈とbasilic vein
を利用したブラッドアクセス(人工血管を含む)では、鎖骨下静脈の閉塞、狭窄(蛇行、屈曲)により静脈高血圧が生じる。しかし、このような静脈高血圧については、直接、その存在を確認することができない。もし側副路の存在が認められれば、静脈高血圧の発生を疑う。静脈高血圧の合併を確認するための、血管造影は必ずしも必要ではない。静脈の解剖学的位置関係を熟知しておれば、側副路の拡張、血流の方向などから充分推測できる。
この部のアクセス血管の外科的修復には極めて高度な技術が必要であり、またリスクも大きい。したがって、このような処置は一般的には行われない。バルーンカテーテルによるこの部のアクセス血管の拡張も避けたい。 鎖骨下静脈の閉塞、狭窄に伴う静脈高血圧に対しては、原則としてシャントを閉鎖する。内頚静脈、鎖骨下静脈へのカテーテル留置は原則禁忌としたい。 |
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