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27.1  漢方医学における病状の診断方法

漢方医学では、下記の「望(ボウ)」、「聞(ブン)」、「問(モン)」、「切(セツ)」の4つの方法により患者の病状を診断する。これらの診断法を四診(シシン)と称する。

望: 顔や皮膚の色、舌の状態を診る

聞: 患者の呼吸音や声を聴く

問: 病状や生活状況を質問する

切: 脈や腹部の状態を直接触れて調べる


四診による診断結果を「証(ショウ)」と言い、証に従って治療すること「随証治療(ズイショウチリョウ)」を基本としている。漢方医学では、先ずこれらの漢方医学の証を理解し、証に従って漢方薬を投与することになっているが、実際の診療では西洋医学の病名や病状に対応させて漢方薬を投与していることが多く、そのような方法で漢方薬を投与していても、有意の数の患者で期待した治療効果が得られているようである。


参考までに、証に用いられる言葉を以下にまとめる。

虚(キョ): 体力が低下し、病状に対する抵抗力も低く、弱々しい状態
実(ジツ): 体力があり、病状に対する抵抗力もある状態
気虚(キキョ): 元気が無く、抵抗力の落ちた状態、倦怠感、疲れやすい、食欲不振、等。
気滞(キタイ): 気が体の一部に滞った状態、頭が重い、のどがつまる、関節痛等の症状、等。
血虚(ケッキョ): 血が不足した状態、皮膚のかさつき、髪が抜ける、不眠等の症状
お血(オケツ): 血液が局部で停滞した状態、末梢循環障害。
「お」は「やまいだれに於」の字。月経不順、月経痛、痔、色素沈着、等。
水滞(スイタイ)(水毒): 体液の偏在した状態。浮腫、水様性下痢、尿量の異常、等。

 

なお、気・血・水(キ・ケツ・スイ)は漢方の生理作用を表す用語で以下のように考えられている。

気: 血と水を体内にめぐらせ生理活動を円滑にする働き
血: 血液とその働き
水: 血液以外の体液とその働き

「証」には、その他に処方を対応させた「葛根湯の証」、「小柴胡湯の証」という言い方もある。