透析百科 [保管庫]

15.2  on-line HDF

容量制御方式のコンソ−ル(UFコントロ−ラ−)を使用することにより透析液回路を密閉系とし、ここからロ−ラ−ポンプにより無菌化した透析液を強制的に血液回路に注入すると、ヘモフィルタ−では透析液の注入速度と同流速の濾過が生じる。この原理を利用したのが on-line HDF である[1]。On-line HDF では、無菌化した透析液を血液回路に注入する際、さらにエンドトキシン・カット・フィルタ−(ファイナルフィルタ−)で最後の濾過をおこなう。

On-line HDF は、置換液として透析液を注入する部位により前置換方式と後置換方式に分けられる。前置換方式の on-line HDF とは、無菌化した置換液の注入部位がヘモフィルタ−の上流である on-line HDF であり、一方後置換方式の on-line HDF とは、透析液の注入部位がヘモフィルタ−の下流である on-line HDF である。前置換方式では、血液は一度希釈された後でヘモフィルタ−に入り濾過がおこなわれるので、置換量が等しい場合には後置換方式におけるよりも尿毒症物質の除去効率ははるかに劣る。そこで、後置換方式の on-line HDF では、一回治療あたりの液置換量が20リットル程度であるのに対し、前置換方式の on-line HDF では70リットル以上の液置換がおこなわれることが多い。
On-line HDF の臨床効果については別の項で述べる。

 

文献

1.      佐藤 隆,佐々木弘州,村岡幸晴,他:Central on-line HDF の現状.薬理と臨床,5: 43-48, 1995.


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