透析百科 [保管庫]

12.2  膜表面の改質を行った再生セルロース膜

膜表面の改質を行った再生セルロース膜には、PEGグラフト再生セルロース膜とビタミンE改質セルロース膜がある。いずれの膜も再生セルロース膜の生体適合性を改善するために開発された。

PEGグラフト再生セルロース膜では、蛋白質の吸着や血小板、白血球などの血液成分の付着が少なく、補体の活性化や凝固系の活性化が起こりにくいと報告されている[1]。さらに、膜表面の改質を行っていない再生セルロース膜に比べて透析中の白血球の減少が軽度であることも知られている。

一方、ビタミンE改質セルロース膜では血小板の付着が少なく、補体の活性化が起こりにくく、かつ膜表面にビタミンEが固定されているために抗酸化効果を有すると報告されている[2]。

 

 

 

 

文献

1.筏 義人:散漫層表面を持つ抗血栓性材料. 人工臓器15: 12-15, 1986

2.佐々木正富:一般的な再生セルロース膜とビタミンE改質セルロース膜, 竹沢真吾編, 血液透析スタッフのための新しいハイパフォーマンスダイアライザー, p.13-17, 東京医学社, 1998.


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