9.13 透析低血圧を防ぐ薬剤
透析低血圧を防ぐためにしばしば投与される薬剤に、塩酸ミドドリン、メチル硫酸アメジニウム、ドロキシドパがある。それぞれの薬剤は、服用後、効果が現れるまでの時間、作用の持続時間がそれぞれ異なる。それぞれの薬剤は、これらの違いを考慮して使い分けるのが適当であると思われる。 1.塩酸ミドドリン 塩酸ミドドリンは、腸から速やかに吸収され、効果は2〜3時間持続する。したがって、塩酸ミドドリンは、透析開始30分〜1時間前に服用し、必要に応じて透析中に追加投与する。
2.メチル硫酸アメジニウム メチル硫酸アメジニウムでは、最大の効果がでるのは服用2〜3時間後である。したがって、メチル硫酸アメジニウムは透析開始1時間前に服用させる。これにより、透析中、昇圧効果が持続する。
3.ドロキシドパ ドロキシドパは、腸からの吸収が遅く、最大の効果がでるのには服用からおおよそ6時間が必要である。ドロキシドパの効果の持続は長く、服用してから24時間後であっても、まだ昇圧効果が認められる。そこで、ドロキシドパは、とくに非透析にも血圧が低い患者に適している。ドロキシドパは、透析を開始する2〜3時間前に服用させる。 なお、透析中に血圧が著しく低下する場合には、昇圧剤を投与する前に、ドライウエイトは適切か、あるいは前夜に効果の持続が長い降圧剤を服用していないかなど、透析低血圧の原因を調べることが必要である。
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■塩酸ミドドリン
メトリジン錠2mg (大正製薬) アバルナート錠2mg (東和薬品) メトドリン錠2mg (メディサ新薬) ナチルジン錠2mg
■メチル硫酸アメジニウム
■ドロキシドパ |