透析百科 [保管庫]

9.4  血圧の決定因子

1.血圧の決定因子

血圧は、心拍出量が多いほど、また末梢血管抵抗が大きいほど高くなる。この関係は、以下の式により表される。

平均血圧=心拍出量×末梢血管抵抗

ただし、平均血圧は以下の式で求める。

平均血圧 = (収縮期血圧 + 2×拡張期血圧)/3

なお、末梢血管抵抗は、毛細血管の直上流の動脈である細動脈壁の緊張度により決定される。

 

 

2.心拍出量

血圧を決定するふたつの因子の中のひとつである心拍出量は、心臓のすぐ手前の静脈の内圧(中心静脈圧)と心筋収縮力によって決定される。一方、中心静脈圧は、静脈に分布する血液量と毛細血管の直下流の静脈である細静脈壁の緊張度のふたつの因子により決定される。

さて、体内の血液の約70%は静脈に分布し、かつ主に変動する血流量は静脈に分布する血液量である。一方、細静脈壁の緊張度は交感神経によって調整される。したがって、体内に過剰な水分が貯留して血液量が増大したり、交感神経の緊張度が亢進すると、心拍出量が増加して血圧が上昇する。

なお、高度の心不全が存在すると(心筋収縮力が低下していると)、比較的軽度の中心静脈圧の低下でも心拍出量は著明に低下、血圧は下降する。

 

 

3.末梢血管抵抗

毛細血管の直上流の動脈である細動脈壁の緊張により、細動脈から毛細血管への血液の流れに対する抵抗が形成される。これが、血圧を決定する心拍出量以外の因子、すなわち末梢血管抵抗である。細動脈壁の緊張度も交感神経に支配されており、交感神経の緊張度が亢進すると末梢血管抵抗は増大、血圧は上昇し、交感神経の緊張度が低下すると末梢血管抵抗は減少、血圧は下降する。