10.8 糖尿病患者の降圧療法
糖尿病患者には一般に体液依存性高血圧が多い。糖尿病患者では、種々の降圧剤に対して、しばしばそれぞれ異なる副作用を呈する。例えば、中枢性交感神経抑制剤の投与では自律神経失調にともなう起立性低血圧が増悪しやすく、β遮断剤の投与では低血糖症状の隠蔽や心不全の増悪をきたしやすい。そこで糖尿病患者では、いくつかの降圧剤を組み合わせて使用するが、とくにカルシウム拮抗薬、ACE阻害剤、アンジオテンシン?受容体ブロッカーを中心にするのがよい。個々の降圧剤の使用量は試行錯誤的に決定する。