透析百科 [保管庫]

10.12  高血圧治療薬(β遮断剤)

β遮断剤は、単に降圧剤としてだけではなく、狭心症や不整脈に対しても広く用いられている。β遮断剤は心選択性薬であるか否か、内因性交感神経刺激作用(ISA)があるか否かにより4群に分けられる。少量の心選択性β遮断剤は、注意すれば軽度の気管支喘息や糖尿病に対して用いることができる。ISAを有するβ遮断剤では、これを有しない薬剤よりも徐脈を起こしにくい。

β遮断剤には水溶性薬剤と脂溶性薬剤がある。脂溶性β遮断剤は肝臓で代謝されるた後、水溶性の代謝産物に変わる。したがって、いずれのβ遮断剤も透析患者では投与量を減らす必要がある。

(1) 心非選択性、かつISAのないβ遮断剤には、塩酸ププラノロール(薬)、塩酸ブフェトロール(薬)、塩酸ブロプラノロール(薬)、塩酸ブクモロール(薬)、マレイン酸チモロール(薬)、ナドロール(薬)などがある。

(2) 心非選択性、かつISAのあるβ遮断剤には、ピンドロール(薬)、マロン酸ボピンドロール(薬)、塩酸オクスプレノロール(薬)、塩酸アルプレノロール(薬)、塩酸インデノロール(薬)、塩酸カルテオロール(薬)、硫酸ペンブトロール(薬)、塩酸ブニトロロール(薬)などがある。

(3) 心選択性、かつISAのないβ遮断剤には、酒石酸メトプロロール(薬)、アテノロール(薬)、フマル酸ビソプロロール(薬)、塩酸ベタキソロール(薬)などがある。

(4) 心選択性、かつISAのあるβ遮断剤には、塩酸アセブトロール(薬)、塩酸セリプロロール(薬)などがある。

β遮断剤は、低血糖症状を隠蔽する傾向があるので、インスリンを使用している糖尿病患者では、投与は慎重でなければならない。また、β遮断剤はカリウムの細胞内への移行を抑え血清カリウム濃度を上昇させることがある。