透析百科 [保管庫]

11.2  透析中の狭心症発作

透析中にしばしば狭心症発作が認められる患者では、原則として透析中、経鼻的に酸素吸入をおこなわせる。

血圧低下時に狭心症が発生した場合には、まず血流を下げ、除水を停止するとともに200ml程度の生理食塩水を投与をする。この処置により血圧が上昇したら、直ちにニトログリセリンを舌下投与する。その後は、発作が収まっても15 分程度は血流を下げたままとし、除水も再開しない。

血圧が低下していないときに狭心症が発生した場合には、血流を下げ、除水を停止するとともにニトログリセリンを舌下投与する。それでも発作が収まらない場合には、200ml程度の生理食塩水を投与する。その後、発作が収まれば15 分程後に血流を元のレベルに戻し、除水を再開する。

薬物療法により狭心症発作を抑えることができない場合には、冠動脈再開通術について専門医を受診させる。


Tweet
シェア
このエントリーをはてなブックマークに追加