11.6 急性肺水腫
急性肺水腫は、潜在的な心不全があるところに過剰な水分を摂取したために生じることが多い。急性心筋梗塞によって肺水腫が生じる場合には、通常以上の体重増加はみられない。
急性肺水腫の基本的な治療はECUMである。しかし、これが不可能な状況下では、ブラッドアクセスから採血パックに200ml程度の血液を緊急に瀉血する。それでも症状の改善がなければ、約30分後にさらに200ml程度を瀉血する。採血パックに瀉血した血液は室温で保存し、後で血液透析ができるようになった段階で、透析中に体内に戻す。血液を冷蔵庫に保存すると、保存した血液中の血清カリウム濃度が上昇するので、これは避けなければならない。安全のため保存した血液はECUM中には体内に戻さず、透析中にのみダイアライザーの上流から体内に戻す。
急性肺水腫が解消されたら、ドライウェイトの再設定をおこなう。