透析百科 [保管庫]

11.1  虚血性心疾患

虚血性心疾患の予防には、血圧のコントロール血清リンのコントロール、禁煙などが重要である。また、著しい貧血の患者では、エリスロポエチンの投与によりヘマトクリット値35%を目標に徐々に上昇させていくと発作の頻度が減少する。

最近、臨床的に明らかな感染症がないにもかかわらずCRP濃度が持続的に高い患者では、心疾患系疾患による死亡のリスクの高いことが報告された[1]。

狭心症の治療としては、発作時にはニトログリセリンの舌下投与をおこなう。さらに持続作用のニトログリセリンの投与、硝酸系の貼付剤の使用、β遮断剤の投与、あるいはジヒドロピリジン系薬あるいはジルチアゼムの投与を行う。β遮断剤の投与にあたっては、投与量の調整をおこなう。

 

 

 

文献

1.Zimmermann J, et al: Inflammation enhances cardiovascular risk and mortality in hemodialysis patients. Kidney Int 55: 648, 1999.


Tweet
シェア
このエントリーをはてなブックマークに追加