透析百科 [保管庫]

11.12 心胸郭比(CTR)の計測とその解釈

1. 心胸郭比の計測
心胸郭比は、深吸気時に正面から撮影された胸部X線写真上で計測する。心胸郭比は、図の胸郭横径(c)に対する心横径(a+b)の比率を百分率で表した指標である。定期的に胸部X線写真を撮影しているうちに、無症状であるにもかかわらず急に心胸郭比が大きくなった場合には、撮影時の吸気不足を疑う。このような場合には、心横径(図のa+b)はほぼ不変であるのに対して胸郭横径(図のc)が小さくなっている。


2. 心胸郭比の解釈
定期的に胸部X線写真を撮影しているうちに、しだいに心胸郭比が縮小していき、同時に透析中に血圧低下が生じ、あるいは透析後に倦怠感が認められ、あるいは透析中、透析後に筋肉の痙攣が生じるようになった場合には、体脂肪量が増大し、それにもかかわらずドライウエイトを増やさなかったためにその分だけ体水分量が減少した可能性を疑う。そのような例では、しばしば蛋白摂取量の指標であるだけでなく、カロリー摂取量の指標でもあるnPCRが増大している(したがって、透析前BUNも上昇している)。

逆に、定期的に胸部X線写真を撮影しているうちに、しだいに心胸郭比が増大していった場合には、体脂肪量が減少し、それにもかかわらずドライウエイトを減らさなかったためにその分だけ体水分量が増加した可能性を考える。そのような例では、しばしばnPCRが低下している(したがって、透析前BUNも低下している)。