透析百科 [保管庫]

18.1  B型肝炎

透析患者のB型肝炎では、多くの場合、ほとんど無症状である。ときに倦怠感を認めるだけで、黄疸を認めることもまれである。しばしば、GOTやGPTなどのトランスアミナーゼの軽度上昇がB型肝炎の唯一の所見となる。血清ビリルビンやアルカリホスファターゼも正常値を保つか、わずかに上昇するにすぎない。したがって、B型肝炎の発見に関しては定期的におこなうスクリーニング検査(定期採血)が重要である。


透析患者におけるB型肝炎では、やがてHBe抗原は消失、HBs抗体が出現して寛解期が持続することもあるが、多くは慢性化、キャリア化する。
慢性化、キャリア化したB型肝炎の進展度を知り、また治療の効果を確認するためには、B型肝炎ウィルス(HBV)関連マーカーの検査が必須である。図には、キャリア化したB型肝炎における種々のHBV関連マーカーの推移を示す。

HBVキャリアにおける諸HBVマーカーの推移


なお、HBVワクチンや透析スタッフの針刺し事故などへの対応については別の項で述べる。