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22.7  神経障害性足病変

糖尿病性足病変には、閉塞性動脈硬化症による虚血型、糖尿病性神経障害による神経障害性および両者の混合型がある。それぞれの頻度は、おおよそ6:1:3である。そこで糖尿病性足病変を診た場合、これが虚血性か、それとも神経障害性か明らかにしておく必要がある。神経性因子の関与を確認するためには、下肢の神経障害の程度を評価する。
ベッドサイドにおける下肢の神経学的な検査には、アキレス腱反射の検査、音叉を用いた振動覚の検査がある。

 

A.神経障害性足病変の種類

1.運動神経障害が原因の足病変
運動神経障害があると、下肢のそれぞれの筋肉の緊張度バランスが崩れ、解剖学的変形や歩行異常が生じる。これにより凹足(おうそく)や足趾の変形が生じ、その結果足底の前部、趾尖部、指節間関節部には荷重や摩擦による胼胝(たこ)や潰瘍が形成される。

2.感覚神経障害が原因の足病変
感覚神経障害があると、下肢に熱傷や外傷が生じても痛みを感じないため、これらが重症となり潰瘍に発展する。

3.自立神経障害が原因の足病変
自律神経が障害されると、発汗が減少するため皮膚が乾燥し、ひび割れや亀裂を来たしやすくなる。ときにこれに二次感染が生じる。治療としては、亀裂の周辺の皮膚を保護し、感染を予防し、かつ尿素軟膏(薬)やサリチル酸ワセリン軟膏(薬)により湿潤環境を保持する。

 

B.神経障害性足病変に伴う潰瘍の治療

神経障害性足病変を含む糖尿病性足病変の治療については、別のページで述べる。