透析百科 [保管庫]

22.14  出血性緑内障(血管新生緑内障)

糖尿病性網膜症が増殖網膜症にまで進展し、虹彩や隅角にも新生血管が出現すると線維血管性増殖膜が隅角を閉塞して眼圧が上昇する。出血性緑内障の発生である。

網膜の虚血に伴う新生血管形成が眼圧上昇の主因であるので、まず網膜の血管閉塞部位をレーザーにて凝固することが重要である(網膜光凝固術)。すでに光凝固が施行されている場合であっても、可能なかぎり周辺部まで追加凝固し、新生血管の消退をはかる。同時に、ピロカルピン点眼、交感神経刺激剤点眼(エピネフリン点眼、βブロッカー点眼)で眼圧のコントロールを図る。

以上の処置は眼科医が行うものであるが、全身的には、眼科医の指示にしたがって炭酸脱水素酵素阻害剤であるアセタゾラミド(薬)を投与する。注意深くグリセリン溶液(薬)の点滴を行うこともある。

これらの処置によっても眼圧のコントロールができない場合には、硝子体切除術を施行するとともに、網膜周辺部まで光凝固をする。それでも眼圧の下降が見られない場合には、毛様体扁平部濾過手術、毛様体のレーザーあるいは冷凍凝固による破壊などの眼科専門医による手術が選択される。しかし、いずれにしてもこの疾患の治療は困難なようであり、最終的には眼球摘出に至るとされている。

そこでもっとも重要なことは、糖尿病性網膜症がこのレベルにまで進展する前に眼科専門医に依頼し、十分な光凝固や硝子体切除を施行することである。