透析百科 [保管庫]

5.12  アルミニウム骨症の治療

透析液のアルミニウム濃度を調べ、アルミニウム濃度が10μg/L未満であることを確認する。もし、アルミゲルや一部の制酸剤など、アルミニウムを含有する薬物を投与していればこれを中止する。

次に、メシル酸デフェロキサミン(薬)により組織内アルミニウムをキレートして透析により除去する。すなわち、週1回の頻度で、5mg/kg のメシル酸デフェロキサミンを250mlの5%ブドウ糖液に溶解し、透析終了前1時間で点滴静注する(1993年EDTA勧告案)。副作用を考慮しメシル酸デフェロキサミンの1回当たりの投与量をより少なくしたとの報告もある [1]。キレートされたアルミニウムは次回の透析によりアルミニウム-デフェロキサミン複合体として除去される。メシル酸デフェロキサミンを用いた治療を数ヶ月間続ける。治療中は、メシル酸デフェロキサミン投与による網膜障害、聴力障害、肺ムコール症の発生に注意する。

 

 

 

文献

1. Canteros A, et al: Ultrafiltrable aluminum after very low doses of desferrioxamine. Nephrol Dial Transplant 13: 1538-1542, 1998.


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