5.18 カルシトニン
カルシトニンは甲状腺から分泌されるペプチドホルモンであり、破骨細胞に直接作用して破骨細胞の活性を抑制する。しかし、カルシトニン製剤の適応が破骨細胞性骨吸収の抑制にあるようには思えない。カルシトニン製剤の適応は、腎性骨異栄養症に伴う骨・関節痛であろう。
カルシトニン製剤は中枢神経に作用し、セロトニン作動性神経を介して鎮痛作用を示すことが示唆されている[1]。カルシトニン製剤は、特に内因性カルシトニン濃度が100pg/ml以下で自発痛が下半身の骨・関節に存在する場合に疼痛の緩和作用を示す[2]。 カルシトニン製剤には、エルカトニン(薬)などがある。エルカトニンを投与する際には、その40単位をヘパリン生食と混合したうえで、ヘパリンと共に動脈側から血液回路に持続的に注入するのが便利であろう。
文献 1.Colado MI, et al.: Involvement of central
serotonergic pathways in
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