透析百科 [保管庫]

   

5.16  活性型ビタミンDの投与法

1.活性型ビタミンDの種類

活性型ビタミンD製剤の投与は、PTHの分泌を抑制するだけでなく、直接骨病変を改善する。 活性型ビタミンD製剤には、1,25(OH)2D3 カルシトリオール)(薬)と1α(OH)2D3アルファカルシドール)(薬)とがある。これらの活性型ビタミンD製剤は、インタクトPTHが 60〜120 pg/mLにコントロールされることを目標に投与する。活性型ビタミンD誘導体であるマキサカルシトール[1, 2]およびファレカルシトリオールは、活性型ビタミンD製剤の経口投与ではインタクトPTHを目標値にコントロールできないときに投与する。。


 

2.活性型ビタミンDの投与法

1,25(OH)2D3 は、血中濃度の上昇が速く、血中半減期が短い。一方、1α(OH)2D3 は、血中濃度の上昇が比較的遅く、血中半減期が長い。いずれの活性型ビタミンD製剤も1日1回、0.25μgの投与から始め、透析前カルシウム濃度が10.5mg/dlを越えないように注意しながら、1.0μg程度まで投与量を増やしていく。


 

3.パルス療法

このように常用量の活性型ビタミンD製剤を投与しているにもかかわらず、高アルカリホスファターゼ血症が改善せず、あるいは血清インタクトPTH濃度がなお360pg/ml以上である場合には、活性型ビタミンDのパルス療法 [3, 4] をおこなう。すなわち、1,25(OH)2D3 の4μgを週2回、透析直後に内服させる。その際、血清インタクトPTH濃度の目標値は60〜120 pg/mLとする。このとき、高リン血症や高カルシウム血症が持続すると異所性石灰化を来し死亡のリスクが上昇するので、血清リン濃度が 3.5〜6.0 mg/dLに、かつ血清カルシウム濃度が 8.4〜10.0 mg/dLに保たれていることをすべてに優先する前提条件とする。活性型ビタミンD3製剤を投与しても血清リン濃度、血清カルシウム濃度、血清インタクトPTHを3つを同時にコントロールできないようであれば、速やかな副甲状腺摘出術(PTX)あるいは副甲状腺への経皮的エタノール注入法(PEIT)の適応を考慮する。

 

 

 

文献

1. 黒川 清、他: 透析期腎不全患者の二次性副甲状腺機能亢進症に対する 22-Oxacalcitoriol (OCT) 注射剤の効果ー前期第・相試験ー(第2報)腎と透析 47: 715-737, 1999.

2. 黒川 清、他: 透析期腎不全患者の二次性副甲状腺機能亢進症に対する 22-Oxacalcitoriol (OCT) 注射剤の安全性および有効性の検討ー第・相一般臨床試験. 腎と透析 48: 875-897, 2000.

3. Fukagawa M, et al: Suppresion of parathyroid gland hyperplasia by 1,25(OH)2D3 pulse therapy. N Engl J Med 315: 421, 1990.

4. Tukamoto Y, et al: The 'oral 1,25-dihydroxyvitamin D3 pulse therapy' in hemodialysis patients with severe secondary hyperparathyroidism. Nephron 57: 23, 1991.


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