4.9 高リン血症のコントロール
高リン血症の是正のためには、まず、リン摂取量の制限が必要である(1日の許容リン摂取量は800〜1,000mg)。ところが、リン含有量の多い食品は同時に蛋白質含有量の多い食品でもある。したがって、リンの摂取量を制限すると、蛋白摂取量も低下する。一方、透析患者の蛋白質の必要摂取量は0.9g/kg/日以上である。すなわち、リンの摂取量の制限と蛋白質の必要摂取量の確保は、しばしば互いに矛盾する。そこで、高リン血症の是正のためには、nPCRが0.9〜1.1g/kg/日となるように蛋白摂取量を制限するとともに、炭酸カルシウムや酢酸カルシウム、塩酸セベラマー、炭酸ランタンクエン酸第二鉄などのリン吸着剤を服用することが必要となる。またリン含有量のとくに多い食物の摂取を避けることも必要である。