透析百科 [保管庫]

8.16   テトラサイクリン系抗生物質

テトラサイクリン系抗生物質には、塩酸ミノサイクリン(薬)、塩酸ドキシサイクリン(薬)などがある。抗菌スペクトルの広い静菌的薬物で、リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ、放線菌、アクチノミセスなどにも有効であり、リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ感染に対しては第一選択薬となる。しかし、黄色ブドウ球菌、A群レンサ球菌、肺炎球菌、グラム陰性桿菌などでは耐性菌も多い。

非淋菌性尿道炎、リケッチア感染症、慢性気管支炎の急性増悪、、初期のLyme病、尋常性ざ瘡(にきび)に適応となる。梅毒やパスツレラ感染症でペニシリンアレルギーがある症例にも用いられる。

いずれの薬剤も腎外排泄であり、かつ透析性が悪いので、透析患者でも投与量の調整は必要ない。


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