透析百科 [保管庫]

8.20  ST合剤(TMP/SMX)

ST合剤(薬)は、トリメトプリムとスルファメトキサゾールを1:5の割合(重量比)で混合した合剤である。ST合剤の抗菌スペクトルは、ほとんどのグラム陽性菌とグラム陰性菌であるが、緑膿菌と腸球菌には効かない。透析患者では投与量を調整する。

尿路感染、前立線炎、急性および慢性気管支炎、急性中耳炎、副鼻腔炎、放線菌症、赤痢、サルモネラ感染症の治療に用いられる。ニューモシスチス・カリニ感染やマルトフィリア感染症にも用いる。また、TMP/SMXに感受性があり、他の抗生物質に耐性を示すグラム陰性桿菌による重症感染症(髄膜炎、骨髄炎)にも用いる。

軽症ないし中等症では、複効錠1錠(TMP160mg/SMX 800mg)を1日2回経口、重症ではTMP換算で8〜20mg/kg/日を2〜4回分割で経口または静注で投与する。

TMP/SMXを大量投与する場合には、巨赤芽球性貧血、白血球減少症、血小板減少症などの副作用が起こりうる。一般的ではないが、特異的な反応として無菌性の骨髄炎が起きる。

ST合剤[トリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP/SMX)]: セプテリン錠(住友製薬-グラクソ・ウエルカム)、 バクタ錠(塩野義)、 バクトラミン(ロシュ)

 

投与量
薬剤名 透析患者投与量 健常人投与量
ST合剤(トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤) 透析後に100〜200mg 100〜200mg を 12hr毎

Tweet
シェア
このエントリーをはてなブックマークに追加