16.11 咳嗽(せき)
急性に出現した咳嗽は、ウイルス性あるいは細菌性の上気道炎、気管支炎、副鼻腔炎によるものであることが多い。 このような場合には、原因疾患の治療を中心に行い、必要に応じて鎮咳剤として臭化水素酸デキストロメトルファン(薬)を1回15〜30 mg、1日1〜4回投与する。これが無効である場合には、リン酸コデイン(薬)を1回20 mg、1日1〜3回投与する。禁煙は、咳嗽に対する極めて基本的な対処法である。 一方、慢性の咳嗽の原因は、肺癌、肺結核などの重要な呼吸器疾患である可能性があるので、注意深く胸部X線検査を行う。胸部X線写真に異常が認められない場合には、以下の原因について検討する。 1.感染後咳嗽 2.鼻疾患 3.気管支喘息 4.慢性気管支炎(COPD: chronic obstractive pulmonary disease) 5.逆流性食道炎 |