透析百科 [保管庫]

16.8  悪心・嘔吐

悪心・嘔吐は、急性胃炎十二指腸炎、潰瘍性疾患などの消化器系疾患、薬物中毒(ジゴキシン、テオフィリン)、腸管閉塞、ウィルス感染症(インフルエンザ 、ノロウィルス感染などが原因となる。

可能であれば絶食とする。悪心・嘔吐が持続する場合には、経鼻胃管を挿入し胃の減圧を図る。脱水が明らかであれば、補液をおこなう。

 中枢性制吐薬の使用法を以下にまとめる。

(1) プロクロルペラジン(薬)を1回5-10 mg、1日3ないし4回経口投与し、あるいは1回10 mg、6時間おきに筋注あるいは静注する。

(2) プロメタジン(薬)を1回12.5-25 mg、4-6時間おきに経口投与し、あるいは筋注する。

(3)チェチルペラジン(薬)を1回10 mg、1日1ないし3回経口投与し、あるいは筋注する。

中枢性制吐薬の副作用には、眠気や急性脱力がある。

効果的な腸管運動の亢進薬にシサプリド(薬)がある。1回10-20 mgを食前および就寝前に経口投与する。

また、糖尿病性胃腸運動障害に伴う嘔吐に対しては、ドーパミン拮抗薬としてメトクロプラミド(薬)を1回10 mg、毎食前および/あるいは就寝前に投与する。メトクロプラミドの副作用には眠気、錐体外路症状がある。

 


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