透析百科 [保管庫]

16.17 創傷(擦過傷・挫傷)の治療

 1.  治療

  a. 創面および創周囲の皮膚を水道水で洗浄し、濡れたガーゼで血液や泥などを完全に拭き取る。創内に異物がある場合には、キシロカインゼリーなどで局所麻酔を行った上で、創面をブラッシングして異物を除去する。

  b. 乾いたガーゼで水分を吸い取り、もし出血があればガーゼで圧迫止血する。出血がある場合には、アルギン酸塩被覆材を使用してもよい。

  c. 創傷の大きさや形に合わせて被覆材を切り、 創部に直接貼付する。一般的には、ハイドロコロイド被覆材を使用するが、滲出液が多い創では、滲出液が溜まらないように、吸収性の高い被覆材(ハイドロポリマー被覆材、ポリウレタンフォーム被覆材、複合材料による被覆材)を使用する方がよい。被覆材は防水構造になっているので、そのまま入浴してもよい。

  d. いずれの被覆材を使用する場合でも、被覆材を貼付した創部に滲出液が貯留したら、被覆材を取り替える。すなわち、被覆材を剥がし、創部を水道水で洗浄し、乾いたガーゼで水分を吸い取った後、新しい被覆材を貼付する。

  e. 創部から滲出液がほとんど出なくなったところで治療を終了する。治療終了までに通常 1〜 2 週間を要する。

なお、動物に噛まれた場合には、被覆材の貼付は行わない。これは、動物に噛まれた場合にはパスツレラ感染が生じることがあるためである。

 


 2. 被覆材

  a. ハイドロコロイド被覆材(薬)
滲出液が多くない浅い創傷の治療に適している。創部に直接触れる親水性コロイドが滲出液を吸収してゲル化し、創面を適度な湿潤状態に保つ。ゲル化すると、表面からは白くふやけたようにみえる。滲出液が被覆材の端から漏れ出してきたら被覆材を取り替える。しかし、たとえ端から滲出液が漏れ出て来なくても 4〜 5 日経てば被覆材を取り替える。

  b. ポリウレタンフォーム被覆材(薬)ハイドロポリマー被覆材(薬)複合材料による被覆材(薬)
滲出液を良く吸収する。滲出液が端から漏れ出すまで連続で使用できるが、それよりも早めに取り替える方がよい。

  c. アルギン酸塩被覆材(薬)
アルギン酸塩が滲出液と反応してカルシウムイオンを放出する。これが強い止血効果を生む。滲出液が端から漏れ出すまで連続で使用できるが、それよりも早めに取り替える方がよい。


ハイドロコロイド被覆材
   デュオアクティブ
        (Convatec) 

ポリウレタンフォーム被覆材
    ハイドロサイト
    (Smith & Nephew)

ハイドロポリマー被覆材
   ティエール
        (Johnson & Johnson)

複合材料による被覆材
   プラスモイスト
        (瑞光メディカル)

アルギン酸塩被覆材
   カルトスタット
        (Convatec)
   アルゴダーム
        (メディコン)