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7.18  インフルエンザの診断

インフルエンザの流行期に、突然の高熱を主症状として、倦怠感、筋肉・関節痛、悪寒・発汗、咳、鼻汁・鼻づまり、咽頭痛、下痢、嘔気、嘔吐などの症状が出現した場合には、インフルエンザを強く疑う。

インフルエンザウイルスは、A型、B型およびC型に分けられるが、毎年、広範囲に爆発的な流行を引き起こすのは、A型とB型である。インフルエンザの確定診断のためには、鼻腔拭い液あるいは咽頭拭い液やうがい液の検体からウイルスの分離を行う。最近は、迅速診断キットによりウイルス抗原の存在を証明することができるようになった。

咽頭拭い液の採取に当たっては、綿棒を口腔から咽頭に挿入し、咽頭後壁を綿棒で数回こすりつける。一方、鼻腔拭い液の採取に当たっては、綿棒を外鼻孔に挿入し、鼻甲介を綿棒で数回こすりつける。このようにして咽頭あるいは鼻甲介をこすりつけた綿棒は、直ちに検体浮遊液に浸し、よく攪拌した後、綿棒の先から液を絞り出し、これを希釈検体として迅速診断キットに数滴垂らす。約15〜20分でA型インフルエンザウイルスあるいはB型インフルエンザウイルスへの感染の有無を診断できる。

しかし、迅速診断キットでは、たとえインフルエンザに罹患していても、感度、時期、検体のとり方などにより有意の割合の患者で陰性の結果がでる。したがって、仮に迅速診断キットの結果が陰性であっても、あるいは何らかの事情で迅速診断キットによる検査が行えなかったとしても、臨床的にインフルエンザが強く疑われるようなら、別の項で述べるリン酸オセルタミビルあるいは塩酸アマンタジンの投与を開始すべきであると考える。