透析百科 [保管庫]

7.8  カテーテルの感染

大腿静脈カテーテルの感染は留置期間が3〜7日以上になるとその頻度が高くなり、鎖骨下静脈カテーテルあるいは内頸静脈カテーテルの感染は留置期間が3週間を越すと増大する(Schwab, 1988)。そこで、予防的な理由で、大腿静脈カテーテルについては1週間ごとに、鎖骨下静脈カテーテルあるいは内頸静脈カテーテルについては3週間ごとにカテーテルを交換するのが好ましい。その際、カテーテルの挿入部に感染の認められる場合には挿入部位も変更するが、挿入部に感染の認められない場合にはガイドワイヤー下にカテーテルだけを交換する。

カテーテルの感染では、悪寒や発熱のみられることもあるが、ときには感染の兆候や症状がまったく認められないこともある。カテーテル挿入部の発赤や滲出液などにより感染が確認されることもあるが、感染があっても挿入部に異常の認められないこともある。

大腿静脈、鎖骨下静脈あるいは内頸静脈に一時的にカテーテルが留置されている患者に感染源の明らかではない発熱がみられた場合やカテーテルの感染が確認された場合には、血液培養をおこなうとともにカテーテルを抜去し、さらにその先端を培養検査に提出する。カテーテル感染の原因菌としては、ブドウ球菌や連鎖球菌のような皮膚常在菌が多いが、グラム陰性桿菌が原因菌となることもある。培養結果がでるまでは、ブドウ球菌を含むグラム陽性球菌を想定して、第1世代セフェム系抗生物質を全身投与しておく。