透析百科 [保管庫]

7.7 敗血症

感染巣である可能性が高い部位から検体を採取し、グラム染色と培養をおこなう。これに、さらに静脈血培養を加える。

原因菌が不明な場合は、広域をカバーする抗生物質として、第3世代セフェム系抗生物質アミノグリコシド系抗生物質を併用する。

感染源が血管カテーテルである場合には、原因菌が黄色ブドウ球菌、コアグラーゼ非産生ブドウ球菌、好気性グラム陰性桿菌、あるいは腸球菌であることが多い。このような場合には、まず、血液培養をおこなうと供に、カテーテルを抜去し、その先端を切り取って培養検査に提出する。その後、培養結果がでるまでは、ブドウ球菌を含むグラム陽性球菌を想定して、第1世代セフェム系抗生物質を全身投与しておく。

先行感染症からの二次性敗血症では、それぞれの先行感染の治療に準ずるが、透析患者は易感染性宿主なので、セフタジジム(CAZ)、セフスロジン(CFS)カルバペネム系抗生物質など、緑膿菌にも有効な抗生物質を選ぶ[1]。

 

 

 

文献

1. 前澤浩美:敗血症. 臨床透析 9: 882, 1993.


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