7.12 せつ(Furuncle)
毛包からの化膿菌進入による、毛包周囲結合組織の急性化膿性炎をいう。せつは、毛孔一致性の紅斑性小丘疹で始まり、次第に有痛性硬結となる。硬結は膿瘍化し、やがて自壊排膿する。自壊排膿すると急速に治癒に向かう。黄色ブドウ球菌が起炎菌となる。
紅斑性小丘疹あるいは有痛性硬結が形成されている段階では、広域ペニシリン、βラクタマーゼ阻害薬/ペニシリン合剤、第1世代セフェム系抗生物質あるいはミノサイクリンを内服させる。必要に応じて、ロキソプロフェン(薬)、ジクロフェナク(薬)、エトドラク(薬)、ザルトプロフェン(薬)などの非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を使用する。有痛性硬結が形成されている段階では、冷湿布をおこない、かつ局所安静をはかりつつ膿瘍化を待ち、軟化・膿瘍化した段階で切開・排膿をおこなう。排膿後は抗生剤軟膏を外用する。