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7.1  維持血液透析患者におけるCRP濃度

CRP(C-反応性蛋白質)は炎症反応の急性期指標のひとつである。このように、指標としてのCRPの意義は明らかであるが、CRPに何らかの生物活性があるのか否かは明らかではない。

一方、Zimmermannらは、透析患者の約半数で、臨床的に明らかな感染症がないにもかかわらずCRP濃度が持続的に0.4mg/dl以上に上昇していたと報告している[1]。しかし、透析患者におけるCRP濃度の持続的上昇の理由は明らかではない。透析膜を通しての透析液から血液へのエンドトキシンの流入、人工血管の使用、生体適合性の悪い膜の使用などが、持続的CRP上昇の理由である可能性は否定できない。しかしStenvinkelらは、CRP濃度が持続的に上昇している透析患者は、透析導入前にすでに同程度の高いCRP濃度を示していたと報告している[2]。この所見は、透析療法とCRPの持続的上昇との間には直接的な関連がないことを示唆している。

 

血液透析患者におけるCRP濃度分布

 

1.Zimmermann J, et al: Inflammation enhances cardiovascular risk and mortality in hemodialysis patients. Kidney Int 55: 648, 1999.

2.Stenvinkel P, et al: Apo(a)-isoform size, nutritional status and inflammatory markers in chronic renal failure. Kidney Int 53: 1336, 1998.