透析百科 [保管庫]

7.13  膀胱炎

原因菌はグラム陰性桿菌がほとんどであり、とくに大腸菌が多い。無尿の透析患者では、下腹部の不快感、悪臭のする尿道分泌物などの症状がみられる。いくらかでも残存腎機能のある患者では、抗菌剤の投与の前にできるだけ尿培養をおこなうようにする。

抗菌剤としては、ニューキノロンが使用される。女性患者には、女性における尿路感染の原因菌として頻度の高い腸内細菌叢に耐性菌が出現しにくいとの理由で、ST合剤[トリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP/SMX)が使用される。抗菌剤の投与期間は5〜7日とする。ただし、嚢胞腎の患者では尿路感染症から化膿性病変に発展しやすいことから、抗菌剤の投与期間を10日程度とする。


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