7.17 インフルエンザの症状
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染に起因する急性呼吸器感染症である。インフルエンザは、2〜3日の潜伏期の後に発症する。典型的には、突然の高熱を主症状として、倦怠感、筋肉・関節痛、悪寒・発汗、咳、鼻汁・鼻づまり、咽頭痛、下痢、嘔気、嘔吐などの症状を伴って発症する。インフルエンザの流行期にこのような症状がみられた場合には、インフルエンザを強く疑う。通常は、上記の症状が3〜4日、長い場合には7日間、続く。症状が7日間以上続くようなら、細菌感染の合併を疑う。
インフルエンザの主な合併症は肺炎である。インフルエンザに合併症する肺炎には、インフルエンザそのものによるものと続発性細菌性肺炎がある。両者の混合した肺炎もみられる。続発性細菌性肺炎の原因菌としては、肺炎球菌が多い。その他、インフルエンザに中耳炎、中枢神経障害、心筋炎、心膜炎が合併症することもある。 インフルエンザウイルスは、A型、B型およびC型に分けられるが、毎年、広範囲に爆発的な流行を引き起こすのは、A型とB型である。 なお、インフルエンザの診断と治療に関しては、別の項で述べる。
|