透析百科 [保管庫]

21.21 α-フェトプロテイン(AFP)

AFPは肝細胞癌と卵黄嚢腫瘍に特異的な腫瘍マーカーである。

1. AFPの基準値

健常者におけるAFPの基準値は10 ng/ml以下であるが、肝硬変、肝炎でも高値を示すことを考慮して、肝細胞癌のスクリーニングではAFPのカットオフ値を20 ng/mlとしている。



2. AFP と癌の進行度

肝細胞癌の90%でAFPが陽性(20 ng/ml以上)となるが、 腫瘍の大きさが2cm以下の肝細胞癌に限ってみると半数の患者で血清AFP濃度はスクリーニングのカットオフ値である20 ng/mlよりも低い。したがって、血清AFP濃度は肝細胞癌の早期診断には使用できない。

肝硬変の患者で定期的に測定していた血清AFP濃度が上昇傾向を示したら、肝細胞癌の発生を疑う。

血清AFP濃度は卵黄嚢腫瘍でも上昇する。卵黄嚢腫瘍では、血清AFP濃度は血清HCG濃度と並ぶ重要な腫瘍マーカーである。



3. 透析患者における血清AFP濃度の基準値

透析患者でも、血清AFP濃度の基準値は健常者に等しい[1]。


 

文献

1. Odagiri E, et al: Effect of hemodialysis on the concentration of the seven tumor markers carcinoembryonic antigen, alfa-fetoprotein, squamous cell carcinoma-related antigen, neuron-specific enolase, CA 125, CA 19-9 and CA 15-3 in uremic patients. Am J Nephrol 11: 363-368, 1991.