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21.16  β2-ミクログロブリン

β2-ミクログロブリンは、透析アミロイドーシスの原因物質である。しかし、透析アミロイドーシスの代表的な合併症である手根管症候群を有する患者でこれを有していない患者よりも透析前β2-ミクログロブリン濃度が高いわけではない。したがって、透析前β2-ミクログロブリン濃度は、透析アミロイドーシスの重症度の指標にも、また透析アミロイドーシス発生のリスクの指標にもなりえない。

β2-ミクログロブリンの産生速度は、感染症、悪性腫瘍、肝疾患を合併している患者を除いてほぼ均一である(152μg/hr/kg)[1]。したがって、残存腎機能が完全に廃絶している患者では、透析前β2-ミクログロブリン濃度は透析によるβ2-ミクログロブリンの除去量の極めて大雑把な指標として利用できる。もちろん、β2-ミクログロブリンのKt/Vに勝るものではない。

残存腎機能がまだ廃絶していない患者では、透析前β2-ミクログロブリン濃度は低値を示し、感染症、悪性腫瘍、肝疾患を合併している患者では高値を示す。

なお、透析液のエンドトキシン濃度が高い場合で[2]、とくにハイパフォーマンス膜を使用している場合には[3]、透析液側から血液側へエンドトキシンが移行し、その結果、血清β2-ミクログロブリン濃度が上昇すると報告されている。

 

 

 

文献 

1.      Maeda K, et al.: Beta-2-microglobulin generation rate and clearance rate in maintenance hemodialysis patients. Nephron 56: 118-125, 1990.

2.      政金生人:ETフリー化を目指した透析液での臨床効果. 血液透析とエンドトキシン(竹沢真吾編): p49-61, 2002.

3.      松岡 潔、他:エンドトキシンフリー透析液で血清β2MGはどこまで低下したか. 腎と透析(別冊HDF療法 ’00). p50-55, 東京医学社、東京、2002.