透析百科 [保管庫]

21.6  血清総蛋白濃度(TP)

血清総蛋白質は、電気泳動でアルブミン、α1-グロブリン、α2-グロブリン、α3-グロブリン、γ-グロブリンの各分画に分けられる。これらの分画の中、血清アルブミンは栄養障害で減少し、血清γ-グロブリンは慢性炎症で上昇する。したがって、血清総蛋白質濃度は単一の理由で変動するのではない。そこで、血清総蛋白質濃度を栄養状態の指標として用いるのは適当ではない。その目的には、血清アルブミン濃度を用いるべきであろう。

ただし、血清総蛋白質量は短期間では変動しない。したがって透析患者においては、溢水あるいは除水にともなう血液の希釈あるいは濃縮の指標として血清総蛋白質濃度を利用することは可能である。

透析患者における血清総蛋白質濃度の標準値は、6.5〜7.0 g/dlとする。

 


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